生後6ヶ月の赤ちゃんの発達マイルストーン|医師パパが成長の目安を解説
「お座りはいつからできるようになるの?」
「うちの子、まだ寝返りしないけど大丈夫?」
「6ヶ月になったのに、同じ月齢の赤ちゃんより発達が遅い気がする……」
生後6ヶ月になると、赤ちゃんは少しずつ「赤ちゃんらしい動き」から「自分で周囲に働きかける動き」へと変化していきます。
寝返りをしたり、おもちゃに手を伸ばしたり、声を出して親とのやりとりを楽しんだり。毎日の生活の中で、できることが少しずつ増えていく時期です。
一方で、生後6ヶ月は発達の個人差もかなり大きい時期です。
「隣の子はもう座っているのに、うちの子はまだ……」と心配になることもあると思います。しかし、発達は「6ヶ月になった瞬間に○○ができる」というものではありません。
日本の乳幼児健診の資料でも、寝返りやお座りなどの運動発達には幅があることが示されています。例えば、過去の全国調査では、寝返りは生後6~7か月未満で約96%が可能だった一方、ひとり座りは同じ時期では約34%にとどまり、9~10か月未満で約96%が可能となっています。つまり、6ヶ月でひとり座りができなくても、まったく珍しいことではありません。
この記事では、呼吸器内科医として働きながら、0歳児の父として子どもの成長を見ている立場から、生後6ヶ月ごろの発達について「どこまでが目安なのか」「どんなことを見ておけばよいのか」を親目線で整理します。
私は小児科専門医ではありません。そのため、この記事では小児科領域の公的資料や発達評価資料をもとに、医学的に確認できる範囲を中心に解説します。

生後6ヶ月の発達は、「○ヶ月だから○○ができなければいけない」と考えるより、運動・コミュニケーション・視覚・手の動きなどが少しずつ発達しているかを見ることが大切です。6ヶ月ごろには、寝返り、うつぶせで腕を伸ばして身体を支える、おもちゃに手を伸ばす、声のやりとりを楽しむ、笑うなどの姿がみられるようになります。一方、ひとりで安定して座ることや、ずりばいは6ヶ月時点で必須ではありません。特に注意したいのは、①以前できていたことができなくなった、②身体の動きに明らかな左右差や異常な硬さ・柔らかさがある、③視線や音への反応などに気になる点がある場合です。
※本記事は2026年8月時点で確認できる公的資料・医学的情報をもとに作成しています。発達には個人差があり、この記事だけで発達の正常・異常を判断することはできません。気になる場合は、乳幼児健診やかかりつけの小児科にご相談ください。
目次
- 生後6ヶ月の発達の全体像
- 運動発達:寝返り・お座り・ずりばい
- 手の動き・遊び方も発達のサイン
- コミュニケーション発達:声・表情・視線
- 離乳食と口の発達
- 睡眠はどう変わる?
- 発達を促すために家庭でできること
- 「発達が遅いかも」と感じたとき
- 受診・相談を考えたいサイン
- まとめ
生後6ヶ月の発達の全体像
生後6ヶ月ごろになると、赤ちゃんは「見る・聞く・触る・動く」といった感覚と運動を少しずつ結びつけるようになります。
例えば、目の前のおもちゃを見つけるだけでなく、「触ってみたい」と手を伸ばしてつかむ。うつぶせになったときに腕で身体を支え、顔を上げて周囲を見る。親が声をかけると声を返すようなやりとりを楽しむ――といった変化です。
CDC(アメリカ合衆国疾病予防管理センター)の6ヶ月の発達マイルストーンでは、6ヶ月までに多くの子ども(75%以上)が、身近な人を認識する、笑う、声のやりとりをする、奇声のような声を出す、おもちゃに手を伸ばす、口に物を入れて探索する、うつぶせから仰向けに寝返る、うつぶせで腕を伸ばして身体を支える、座位で手をついて身体を支えるなどを行うとされています。

ここで大切なのは、CDCの「マイルストーン」は「その月齢になったら全員ができること」ではないということです。75%以上の子どもができることを目安としており、発達スクリーニングそのものでもありません。
日本の乳幼児健診でも、運動だけではなく、視線、追視、音への反応、発声、身体の硬さや柔らかさなどを総合的に確認します。つまり、「寝返りがまだ」という一点だけで発達全体を判断するわけではありません。
運動発達:寝返り・お座り・ずりばい
① 寝返り
生後6ヶ月ごろは、寝返りができるようになる赤ちゃんが増えてきます。
日本の乳幼児健康診査に関する資料では、6ヶ月ごろの発達項目として「寝返り」が挙げられています。また、過去の全国調査では、生後5~6か月未満で約87%、6~7か月未満で約96%が寝返り可能でした。
ただし、これはあくまで集団としての目安です。
「6ヶ月になったのに寝返りしない=異常」という意味ではありません。寝返りは、首・体幹・手足の動きなど複数の発達が組み合わさってできる運動なので、少し時期が前後することはあります。
一方で、6ヶ月を過ぎても身体の動きが全体的に乏しい、うつぶせにすると頭を上げられない、身体が極端に硬い・柔らかい、左右差が明らかといった場合には、健診や小児科で相談してみるとよいでしょう。こども家庭庁の乳幼児健診マニュアルでも、このような姿勢や筋緊張の異常は確認項目となっています。
② お座り
「6ヶ月になったらお座り」というイメージを持っている方も多いと思いますが、生後6ヶ月でひとりで安定して座れなくても普通です。
6ヶ月ごろは、手を床について身体を支えながら座る「手で支える座位」がみられる時期です。CDCでも6ヶ月の運動発達の一つとして、「座っているときに手をついて身体を支える」ことが挙げられています。
一方、日本の過去の全国調査では、支えなしでおおむね1分以上座る「ひとりすわり」ができる割合は、生後6~7か月未満で約34%、7~8か月未満で約68%、8~9か月未満で約86%、9~10か月未満で約96%でした。
したがって、6ヶ月でまだひとり座りができないのは、まったく珍しいことではありません。

③ ずりばい・はいはい
「ずりばいができない」という相談もよくありますが、6ヶ月時点では基本的に心配しすぎる必要はありません。
ずりばいやはいはいは、お座りよりさらに後に発達していく運動です。しかも、すべての赤ちゃんが典型的な「ずりばい→四つばい→はいはい」という順番で進むわけではありません。
なかには、ずりばいをほとんどせず、座る・つかまり立ちへ進む子もいます。
そのため、「ずりばいをしないこと」だけを発達の遅れと判断することはできません。
「6ヶ月なのにまだお座りしない」「ずりばいしない」は、それだけで異常とはいえません。
むしろ、うつぶせで頭を上げる・腕で身体を支える・手を伸ばして物をつかむ・身体を左右に動かすなど、次の運動につながる変化があるかを見てみましょう。
手の動き・遊び方も発達のサイン
生後6ヶ月ごろは、身体を動かすだけでなく、手を使った探索も盛んになります。
目の前にあるおもちゃを見つけると手を伸ばしてつかみ、口に入れて確かめることも増えてきます。
「何でも口に入れてしまう」と心配になるかもしれませんが、赤ちゃんにとって口は重要な「探索の道具」の一つです。CDCでも、6ヶ月の認知発達のマイルストーンとして「物を口に入れて探索する」「欲しいおもちゃに手を伸ばす」が挙げられています。
もちろん、小さな物や誤飲・窒息につながる物は赤ちゃんの手の届かない場所へ置いてください。

コミュニケーション発達:声・表情・視線
生後6ヶ月になると、「身体の発達」だけでなく、人とのコミュニケーションも少しずつ豊かになっていきます。
声を出してやりとりする
赤ちゃんが「アー」「ウー」と声を出すと、親が「どうしたの?」と返す。そして赤ちゃんがまた声を出す――。
このような「声のキャッチボール」が少しずつ増えてきます。
CDCの6ヶ月マイルストーンでも、「親などと交互に声を出す」「キーキー声などを出す」「舌を出して息を吹くような音を出す」といった行動が挙げられています。
なお、「ばばば」「ままま」といった典型的な反復性の喃語が6ヶ月時点で必ず出るわけではありません。6ヶ月では、まず声を出すことや、人との声のやりとりが増えているかを見るとよいでしょう。

笑う・親しい人を認識する
親の顔を見て笑う、あやすと笑う、親しい人とそれ以外の人に対して反応が違う――こうした変化もみられます。
CDCでも6ヶ月の社会性・情緒のマイルストーンとして、「身近な人を認識する」「笑う」などが挙げられています。
一方、「人見知り」は6ヶ月に必ず始まるものではありません。早い子もいれば、もう少し後になってから目立つ子もいます。
「名前を呼んだら振り向く」はどう?
「6ヶ月なのに名前を呼んでも振り向かない」と心配する方もいます。
ただし、6ヶ月時点で「名前を呼んだら毎回振り向く」ことを必須の発達マイルストーンとして考える必要はありません。
この時期は、名前そのものを理解して反応するというより、声の方向を見たり、聞き慣れた声に反応したりする段階です。
こども家庭庁の乳幼児健診資料でも、6ヶ月ごろの確認項目として「声の方向に振り向く」「視線が合う」「動くものを目で追う」などが挙げられています。

離乳食と口の発達
生後5~6ヶ月ごろは、離乳食を始める時期です。
ただし、「6ヶ月になったから必ず開始」という単純なものではありません。赤ちゃんの発達や哺乳・生活状況などをみながら開始します。
こども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳の開始は生後5~6か月頃が目安とされ、発達状況などを踏まえて進めることが示されています。
初期は、なめらかにすりつぶした状態の食品を少量から始め、赤ちゃんが口に入れたものを飲み込むことに慣れていくことが基本です。
最初からたくさん食べる必要はありません。
「口に入れたら全部出してしまう」「今日はほとんど食べなかった」ということもあります。離乳初期は、栄養を離乳食だけで取ることよりも、口から食べることに少しずつ慣れていくことが大切です。
なお、離乳食を始める際には、食物アレルギーや窒息などにも注意が必要です。食材の進め方については、自治体や小児科、管理栄養士などの指導も活用してください。

睡眠はどう変わる?
生後6ヶ月になると、昼夜の区別がつき、睡眠リズムが少しずつ整ってくる赤ちゃんもいます。
一方で、6ヶ月になったから夜通し寝るようになる、というわけではありません。
夜間に目を覚ます赤ちゃんも珍しくありませんし、授乳が続くこともあります。睡眠時間や夜間覚醒には個人差があります。
「今まで寝ていたのに急に夜中に起きるようになった」という場合、「睡眠退行」と呼ばれることがあります。ただし、睡眠が乱れる原因は一つではなく、発達、生活リズム、授乳、体調、環境などさまざまです。
夜泣きや夜間覚醒があっても、赤ちゃんの成長が順調であれば、それだけで発達上の問題を意味するわけではありません。
睡眠で忘れてはいけないこと
発達が進んで寝返りをするようになっても、睡眠時の安全対策は重要です。
こども家庭庁は、1歳になるまでは、寝かせるときはあおむけにすることを推奨しています。SIDS(乳幼児突然死症候群)は原因が完全には分かっていませんが、あおむけ寝によって発症リスクが低くなることが分かっています。
一方、起きている時間の「タミータイム(うつぶせ遊び)」は、保護者が見守る中で行うことが勧められています。AAPも、覚醒中・監視下でのタミータイムを発達や頭の形の偏りの予防の観点から推奨しています。

タミータイムは、赤ちゃんが起きていて、保護者が見守っているときに行います。
睡眠時は、1歳になるまではあおむけに寝かせることが基本です。
発達を促すために家庭でできること
発達を促すために、特別な教材や高価なおもちゃが必要なわけではありません。

① たくさん話しかける
赤ちゃんが「あー」と声を出したら、「あー」と返してみましょう。
このような「声のキャッチボール」を楽しむこと自体が、コミュニケーションの練習になります。CDCも、赤ちゃんが声を出したら反応して返すことや、日常の中で話しかけることを勧めています。
② 床の上で自由に動ける時間をつくる
安全な場所で、赤ちゃんが自由に身体を動かせる時間をつくりましょう。
おもちゃを少し手の届かないところに置いて、「もう少しで届きそう」という状況をつくると、手を伸ばしたり身体を動かしたりするきっかけになります。
③ 読み聞かせをする
まだ言葉の意味が分からなくても、絵本を見ながら話しかけることには意味があります。
「これは犬だね」「赤いね」など、赤ちゃんが見ているものに言葉を添えてあげましょう。
④ 比べるなら「他の子」ではなく「昨日のわが子」
個人的には、これが一番大切だと思っています。
SNSなどを見ていると、「5ヶ月でお座り」「6ヶ月でハイハイ」など、さまざまな投稿が目に入ります。しかし、それらは発達の一部分を切り取ったものです。
昨日より少し首が安定した。昨日よりおもちゃを長く握れるようになった。声をかけると笑うことが増えた。そうした小さな変化を見るほうが、赤ちゃんの発達を理解するうえではずっと大切です。
「発達が遅いかも」と感じたときに確認したいこと
発達の相談では、「○ヶ月なのに○○ができない」という一点だけでなく、次のような点を総合的に見ます。
- 以前できていたことが、できなくなっていないか
- 身体を左右対称に動かしているか
- うつぶせで頭を上げたり、腕で身体を支えたりできるか
- 手を伸ばして物を取ろうとするか
- 声や音に反応するか
- 動くものを目で追うか
- 親しい人に笑ったり、声を返したりするか
- 身体が極端に硬い、または柔らかいと感じないか
こども家庭庁の乳幼児健診資料でも、視線、追視、音への反応、発声、寝返り、身体の硬さ・柔らかさなどが確認項目として扱われています。

特に重要なのは「発達の退行」
発達を見るうえで、特に注意したいのが「以前できていたことができなくなる」ことです。
例えば、それまでできていた寝返りや声を出すことが明らかにできなくなった、以前は反応していた音や人への反応が失われた、という場合です。このような「発達の退行」は、単純な「発達が少し遅い」という問題とは異なります。
もちろん、日によってできたりできなかったりすることはあります。だからこそ、「明らかに以前と違う」という変化があれば、早めに小児科へ相談することが大切です。
受診・相談を考えたいサイン
以下は「これが一つでもあれば必ず病気」という意味ではありません。しかし、気になる場合は乳幼児健診を待たずに小児科や自治体の保健師などへ相談してよいサインです。
・以前できていたことが明らかにできなくなった
・身体の動きに明らかな左右差がある
・身体が極端に硬い、または極端に柔らかい
・うつぶせで頭を持ち上げることが難しい
・音や声への反応が乏しい
・動くものを目で追わない、視線について気になることがある
・親とのやりとりや表情の反応について気になることがある
・体重や身長の増え方について心配がある
・その他、保護者が「何となくいつもと違う」と感じる
特に最後の「何となくいつもと違う」は軽視しないでください。毎日赤ちゃんを見ている保護者だからこそ気づける変化があります。「こんなことで小児科に行っていいのかな?」と思う必要はありません。
乳幼児健診は「発達のテスト」ではなく相談の機会
日本では、自治体によって乳幼児健診の時期や実施方法が異なります。法律上、全国の市町村で実施が義務づけられているのは1歳6か月児健診と3歳児健診ですが、3~6か月児健診や9~11か月児健診なども実施されています。実施時期や方法は自治体によって異なります。
もし自治体の健診があれば、ぜひ活用しましょう。「寝返りがまだです」「右ばかり向きます」「声をかけても反応が少ない気がします」など、具体的な心配を伝えると、医師や保健師が実際の様子を確認してくれます。
健診は「できなかったら減点されるテスト」ではありません。赤ちゃんの現在の発達を確認し、必要なら早めに相談につなげるための機会と考えてください。
まとめ|6ヶ月は「できる・できない」より成長の流れを見る
生後6ヶ月は、赤ちゃんの発達が目に見えて変化してくる時期です。
寝返りをするようになったり、おもちゃに手を伸ばしたり、声を出して親とのやりとりを楽しんだり。一方で、発達にはかなり大きな個人差があります。
特に「ひとり座り」や「ずりばい」は、6ヶ月時点でできなくても珍しくありません。日本の全国調査でも、ひとり座りが90%以上の子どもにみられるのは9~10か月未満でした。
だからこそ、他の赤ちゃんと比べすぎず、昨日のわが子と比べてみること、運動だけでなく視線・音への反応・発声・表情なども見ること、以前できていたことが失われていないか確認すること、気になることがあれば健診や小児科で相談することが大切です。
そして、個人的には「発達を評価すること」だけでなく、「今しか見られない姿を楽しむこと」も大切にしてほしいと思っています。昨日できなかったことが今日できるようになる。突然寝返りをして、家族全員で「できた!」と喜ぶ。こちらが話しかけると、意味の分からない声で一生懸命返事をしてくれる。生後6ヶ月ごろは、そんな小さな成長を毎日のように感じられる時期です。
発達の「正解」を追いかけすぎるより、わが子のペースで少しずつ成長していることを見つけていく。それくらいの気持ちで見守っていければ十分だと思います。
執筆:Dr.はると|呼吸器内科専門医・0歳児の父
医師×資産形成×育児をテーマに発信しています
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。発達には個人差があります。お子さんの発達や健康について心配なことがある場合は、乳幼児健診、自治体の保健師、かかりつけの小児科医などにご相談ください。

Dr.はると|呼吸器内科専門医・0歳児パパ
医師として働きながら、資産形成・育児の両立に取り組んでいます。
「医師目線のリアルな情報」を届けるべく、資産形成・育児・医療知識のテーマで発信中。
「難しい情報をわかりやすく」をモットーに、忙しい医師・子育て中の親御さんに役立つ記事を書いています。