2027年から始まる「子どもNISA」はやるべき?——医師×投資家の視点で考える
「子どものために、少しずつ資産を作っておきたい」
「2027年から子どもNISAが始まるって聞いたけど、結局やった方がいいの?」
「投資はよくわからないけれど、将来のお金で損はしたくない……」
そんな方に知っておいてほしい制度が、2027年から始まる未成年者向けのNISA(いわゆる「子どもNISA」)です。
2023年末に新規口座開設が終了した「ジュニアNISA」の後継にあたる制度ですが、実はジュニアNISAとまったく同じ制度ではありません。
2026年度税制改正によって、2027年1月からNISAの「つみたて投資枠」が0~17歳の子どもにも利用できるようになることが決まりました。
年間の投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円。さらに、12歳以降は一定の条件を満たせば、子どものための資金として払い出すことも可能になります。18歳になると成人向けのNISAへ移行します。
結論から言います。
「子どもの将来のために、10年以上使う予定のないお金を長期投資したい家庭にとって、非常に有力な制度です。」
ただし、「子どもNISAだから、とにかく満額投資すればいい」という話ではありません。
教育費として使う可能性があるお金と、老後資金など別の目的のお金を分けること。そして、株式投資には元本割れの可能性があることを理解した上で利用することが大切です。
今回は、2026年8月時点で公表・法制化されている情報をもとに、「子どもNISAとは何か」「本当にやるべきなのか」「いくら投資すればいいのか」「何に投資するのか」を、医師として働きながら長期投資を実践している立場から、できるだけわかりやすく解説します。
※本記事は2026年8月時点で成立している法令・金融庁等の公表資料をもとにしています。今後、制度の運用上の詳細や金融機関ごとの取扱いなどが変更される可能性があります。実際に口座を開設・投資する際は、金融庁や利用する金融機関の最新情報をご確認ください。私は医師であり、ファイナンシャルプランナーや証券アドバイザーではありません。特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
目次
- そもそも「子どもNISA」とは何か
- 子どもNISAの重要ポイントを整理
- ジュニアNISAとの違い
- 子どもの資産形成——なぜ早く始めるほどいいのか
- 子どもNISAを「やる価値が高い」と考える3つの理由
- 子どもNISAの注意点・向いていないケース
- 何に投資すればいい?——私の考え方
- 教育費として使うなら「出口」も重要
- よくある疑問Q&A
- まとめ
そもそも「子どもNISA」とは何か
子どもNISAの基本をざっくり理解する
- 対象:0~17歳の子ども
- 開始:2027年1月以降
- 投資できる枠:つみたて投資枠
- 年間投資枠:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
- 対象商品:長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託
- 12歳以降:一定の条件のもと、子どものための資金として払出し可能
- 18歳:成人向けのNISAへ移行
この「年間60万円・総額600万円」という数字は、子どもNISAを考える上で非常に重要です。
なお、年間60万円を必ず投資しなければならないわけではありません。月5万円なら年間60万円ですが、月1万円でも月3万円でも、家庭の状況に応じて利用できます。

子どもNISAの重要ポイントを整理
ここで、制度について特に重要なポイントを整理しておきましょう。
①年間60万円まで投資できる
0~17歳の期間は、年間60万円までが投資枠となります。
月額にすると5万円です。
ただし、「毎年60万円投資しなければ損」という意味ではありません。
例えば月1万円なら年間12万円、月3万円なら年間36万円です。家計に無理のない金額で利用することが重要です。
②非課税保有限度額は600万円
子どもNISAでは、0~17歳の期間について非課税保有限度額が600万円とされています。
例えば600万円を投資し、それが900万円になったとします。
通常の課税口座であれば、利益300万円に対して税金がかかりますが、NISA口座内の利益は非課税です。
なお、NISAの「600万円」は利益を含めた資産評価額の上限ではなく、取得価額ベースの非課税保有限度額と考えるのがポイントです。
③12歳以降は一定条件で払い出せる
ジュニアNISAとの大きな違いです。
ジュニアNISAでは原則18歳までの払出し制限がありましたが、今回の未成年者向けNISAでは、12歳以降、一定の条件を満たせば払い出しが可能となっています。
ただし、親が自由に好きな用途へ使える、という意味ではありません。
資金の使途が子どものためのものであり、子ども本人が払出しに同意したことを示す書面とともに、親権者等が金融機関へ申出を行うことなどが条件となります。

④18歳になると成人向けNISAへ移行
18歳になると、未成年者向けの制度から成人向けのNISAへ移行する仕組みとなっています。
金融庁によれば、成人後のNISAへは特段の手続きを要することなく自動的に移行する仕組みとされています。
つまり、子どもの頃から積み立てていた資産を、そのまま長期的な資産形成につなげていくこともできます。
ジュニアNISAとの違い
「子どもNISAって、昔のジュニアNISAと同じじゃないの?」
そう思う方も多いでしょう。
確かに「未成年者名義で非課税投資ができる」という点では似ています。しかし、重要な違いがあります。
| 項目 | ジュニアNISA | 2027年~の未成年者向けNISA |
|---|---|---|
| 新規投資 | 2023年末で終了 | 2027年から開始 |
| 対象年齢 | 0~17歳 | 0~17歳 |
| 投資枠 | 一般NISA相当 | つみたて投資枠 |
| 年間投資枠 | 80万円 | 60万円 |
| 非課税期間 | 原則5年間 | 無期限 |
| 払出し | 原則18歳まで制限 | 12歳以降、一定条件で可能 |
| 18歳以降 | 制度終了後の扱いあり | 成人向けNISAへ移行 |
ジュニアNISAは2023年末で新規口座開設が終了しています。2023年までに投資した資産については、一定の条件のもと18歳になるまで非課税で保有できます。
一方、2027年からの制度では、非課税期間が無期限となるなど、よりシンプルで使いやすい制度になっています。

子どもの資産形成——なぜ早く始めるほどいいのか
ここからが、この記事の本題です。
「制度があるから使う」のではなく、そもそも子どもの資産形成を早く始める意味があるのか?を考えてみましょう。
複利の力——「時間」は大きな武器
長期投資を考える上で、非常に重要なのが複利です。
例えば、毎月1万円を積み立て、年率5%で運用できたと仮定してみます。
- 0歳から18歳まで:約18年間 → 約349万円
- 10歳から18歳まで:約8年間 → 約118万円
どちらも積み立て額は月1万円ですが、運用期間が長いほど、運用による資産の増加が大きくなります。
ただし、これは年率5%で毎年運用できたと仮定した単純なシミュレーションです。実際の株式市場は上下に変動するため、18年間で必ずこの金額になるわけではありません。
重要なのは「5%で運用できる」ということではなく、時間を味方につけられるということです。
金融庁も、長期投資では複利効果が大きくなることを説明しています。

子どもが大きくなると、お金が必要になる
子どもの成長に伴い、まとまったお金が必要になる場面があります。
- 大学の入学金・授業料
- 大学在学中の学費
- 一人暮らしの家賃・生活費
- 留学や資格取得などの教育費
- 就職・一人暮らし開始時の初期費用
特に大学進学では、国公立か私立か、自宅通学か一人暮らしかなどによって必要額が大きく変わります。
「大学に行くことになったら、そのとき考えよう」では、家計への負担が一気に大きくなる可能性があります。
子どもが小さいうちから少しずつ準備しておけば、18歳になったときに「教育費をすべて今から用意しなければならない」という状況を避けやすくなります。
現金だけにもリスクがある
もちろん、教育資金を現金で準備することにも大きなメリットがあります。
株式と違って価格変動が小さく、必要なときに金額が大きく減っている可能性が低いからです。
一方で、物価が上昇すると、現金の実質的な購買力は低下する可能性があります。
例えば、現在100万円で買えるものが、物価上昇によって18年後には120万円必要になるかもしれません。
つまり、「投資にはリスクがある」のと同時に、現金だけで持ち続けることにもインフレというリスクがあるのです。
だからこそ、「いつ使うお金なのか」に応じて、現金と投資を使い分けることが重要です。
子どもNISAを「やる価値が高い」と考える3つの理由
①運用益が非課税になる
これがNISA最大のメリットです。
通常、株式や投資信託の売却益・配当等には、原則として20.315%の税金がかかります。
例えば100万円の利益が出た場合、単純化すると約20万円が税金として差し引かれます。
NISA口座内の対象となる利益は非課税です。
もちろん「利益が出る」ことが前提ですが、長期間運用して大きな利益が生じた場合ほど、非課税制度のメリットは大きくなります。
②子どもは「時間」という最大の武器を持っている
30歳から投資を始める人と、0歳から投資を始める人では、運用できる時間がまったく違います。
子どもの場合、大学進学まででも10年以上あります。
さらに、18歳で全部使わず、その後も本人が運用を続ければ、20代、30代へと資産形成をつなげることもできます。
「若いうちから投資を始められる」ということ自体が大きなメリットなのです。
③家庭で「お金について考えるきっかけ」になる
子どもNISAは、単なる投資制度ではありません。
子どもと一緒に「お金」について考えるきっかけにもできます。
例えば小学生になったら、
「毎月少しずつお金を入れているんだよ」
「株っていうのは、会社の一部を持つことなんだよ」
「値段は毎日変わるんだよ」
といった話を少しずつしてみる。
実際の資産の値動きを見ながら話すことで、学校の授業だけでは得にくい実体験としての金融教育につながる可能性があります。
ただし、子どもの資産を「投資ゲーム」のように扱うのではなく、元本割れも含めて投資の仕組みを伝えることが大切です。


子どもNISAの注意点・向いていないケース
①投資なので、元本割れする
最も重要なことです。
NISAは「損をしない制度」ではありません。
NISAはあくまで「利益が非課税になる制度」です。
投資信託や株式の価格が下がれば、資産が元本を下回る可能性があります。
例えば600万円を投資しても、相場が大きく下落すれば一時的に400万円、300万円になることもあり得ます。
「18歳の大学入学時に600万円必要」という目的で、18歳直前まで株式100%で運用するのは、必ずしも適切とは限りません。
ここは非常に重要です。
②教育費を「全部」株式投資にしなくてもいい
「長期投資なら株式100%でOK」と単純に考えないことも大切です。
例えば子どもが0歳なら、大学入学まで約18年あります。
一方、子どもが15歳なら、大学入学まで3年程度しかありません。
同じ「子どもの教育資金」でも、使う時期までの期間によって取れるリスクは変わります。
教育費として使う予定のお金なら、使う時期が近づくにつれて、株式など値動きの大きい資産から現金・預金などへ徐々に移していく方法も検討できます。
これは「出口戦略」と呼ばれる考え方で、子どもNISAを利用する上で非常に重要です。
③家計に余裕がないなら、無理に投資しない
投資は「余裕資金」で行うことが基本です。
例えば、
- 毎月の生活費がギリギリ
- 近いうちに大きな支出がある
- 十分な生活防衛資金がない
- 高金利の借金を抱えている
こうした状況なら、子どもNISAより先に家計の安定を優先した方がよいでしょう。
「生活防衛資金を現金でいくら確保するか」に絶対的な正解はありません。会社員か自営業か、収入の安定性、住宅ローン、子どもの人数などによっても異なります。
「月収の3~6か月分」といった目安が紹介されることもありますが、重要なのは家庭の状況に応じて、投資資金と生活資金を明確に分けることです。
④子どものお金でリスクを取りすぎない
「子どものためのお金だから、絶対に増やしたい」と思う気持ちはよくわかります。
しかし、リターンを高くしようとすれば、一般にリスクも大きくなります。
個別株1銘柄への集中投資や、暗号資産など値動きの大きい資産に、教育費を集中させる必要はありません。
長期・積立・分散を基本として、家庭が耐えられる範囲のリスクに抑えることが重要です。
⑤「積立=必ず儲かる」ではない
積立投資は、価格が高いときには少なく、安いときには多く購入することで、購入時期を分散する方法です。
そのため、相場のタイミングを一度に決める必要がないというメリットがあります。金融庁も、長期・積立・分散投資を資産形成の基本的な考え方の一つとして紹介しています。
ただし、積立をすれば必ず利益が出るわけではありません。
また、すでにまとまった投資資金を持っている場合、積立による時間分散が常に一括投資より高いリターンになるわけでもありません。
「毎月コツコツ積み立てる」という方法は、値動きへの不安を抑えながら投資を継続しやすいという点に大きな意味があります。
何に投資すればいい?——私の考え方
ここは制度そのものとは別の話です。
「子どもNISAを始めるのはわかった。でも、何を買えばいいの?」
おそらく多くの人がここで悩むと思います。
私個人の考えとしては、長期・積立・分散投資をするのであれば、低コストの全世界株式インデックスファンドは有力な選択肢の一つだと思っています。
ただし、「全世界株式なら必ず儲かる」「オルカンが正解」という意味ではありません。
インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、日経平均株価、S&P500、MSCI ACWIなどの市場指数に連動する運用成果を目指す投資信託です。
例えば全世界株式型のインデックスファンドなら、日本だけ、米国だけというように一つの国に集中せず、世界の複数の国・地域の株式に分散して投資できます。
全世界株式を選ぶメリット
- 分散:一つの企業・国に依存しにくい
- 低コストの商品がある:長期投資ではコストが重要
- 銘柄選択が不要:個別企業を一社ずつ選ぶ必要がない
- 世界経済全体の成長を取り込める可能性がある
金融庁も、資産形成においては分散投資によって特定の資産の価格変動による影響を抑える考え方を紹介しています。
「S&P500」と「全世界株式」はどちらがいい?
ここは好みや考え方によって変わります。
S&P500は米国の主要企業に集中して投資する一方、全世界株式は米国以外の国も含めて幅広く投資します。
「どちらが将来儲かるか」は誰にもわかりません。
そのため私は、子どもの将来資金については、「将来の勝者を当てにいく」より「世界全体に広く分散して長期間保有する」という考え方の方が、精神的にも続けやすいと考えています。
なお、2027年からの未成年者向けNISAでは「つみたて投資枠」が対象となるため、対象商品については金融庁の最新の対象商品リストを確認する必要があります。

教育費として使うなら「出口」も重要
子どもNISAを考えるとき、どうしても「何を買うか」に目が行きがちです。
しかし、実は同じくらい重要なのが「いつ売るのか」です。
例えば、子どもが0歳のときに全世界株式を購入したとします。
大学入学まで18年あるなら、短期的な株価下落をある程度受け入れやすいでしょう。
しかし、子どもが17歳になったときに大学資金として使う予定なら、事情は変わります。
大学入学の直前に世界的な株価暴落が起こり、資産が半分近くになってしまったら、教育費として使う予定だったお金が不足する可能性があります。
そのため、例えば、
- 0~10歳:長期運用を重視
- 10~15歳:必要資金を意識し始める
- 15~18歳:必要な教育費について現金化を検討
というように、使う時期が近づくほど値動きの大きい資産を減らすという考え方もあります。
もちろん、具体的な年齢や割合に正解があるわけではありません。
大切なのは、「18歳で使う可能性があるお金を、18歳直前まで株式100%で持ち続ける必要が本当にあるのか?」と考えることです。
よくある疑問Q&A
Q. 子どもNISAと親のNISA、どちらを優先すべき?
A. 家庭の目的によりますが、親自身の資産形成を犠牲にしてまで子どもNISAを優先する必要はありません。
親が老後資金を十分に準備できていなければ、将来的に子どもへ経済的な負担をかける可能性があります。
そのため、
「親の老後資金」+「子どもの教育資金」
を並行して考えることが重要です。
親のNISAは成人向けの非課税保有限度額が大きく、資金の払い出しにも基本的な制限がありません。一方、子どもNISAは年間60万円・非課税保有限度額600万円という別枠の制度です。
したがって、「親のNISAを満額使い切らないと子どもNISAを始めてはいけない」というルールはありません。
家庭の収入・支出・教育方針・老後資金をまとめて考えましょう。
Q. 学資保険と子どもNISA、どちらがいい?
A. 「何を重視するか」で変わります。
学資保険には、契約内容によっては一定の保障がつくことや、強制的に教育資金を準備しやすいというメリットがあります。
一方、投資信託による資産形成には、元本割れの可能性がある代わりに、長期的な資産成長が期待できるという特徴があります。
「絶対に減らしたくないお金」と「ある程度の値動きを許容できる長期資金」を分けて考えるとよいでしょう。
なお、「NISAの方が必ず得」「学資保険は損」という単純な話ではありません。保険料、返戻率、保障内容、途中解約時の扱い、投資商品のコストなどを比較する必要があります。
Q. いくらから始めればいい?
A. 無理なく続けられる金額で十分です。
月5万円まで投資できる制度だからといって、必ず月5万円投資する必要はありません。
月3,000円、5,000円、1万円でも構いません。
特に投資初心者の場合は、「大きな金額を入れて値下がりが怖くなり、途中でやめる」よりも、無理のない金額で長く続ける方が重要です。
Q. 子どもが生まれてすぐ始めた方がいい?
A. 長期運用できるという意味では早いほど有利ですが、無理をする必要はありません。
0歳から始めれば、大学入学まで約18年あります。
一方、1~2年遅れても、その後10年以上運用できるのであれば十分に長期投資です。
出産直後は育児や生活環境の変化も大きい時期です。
「今すぐ始めないと損」と焦る必要はありません。
Q. 子どもに渡すお金なら、親が勝手に使っていい?
A. 「子ども名義だから、親のお金」と考えない方がよいでしょう。
未成年者向けNISAは子どもを口座名義人とする制度であり、親権者等が口座を管理する仕組みです。
特に12歳以降の払出しには、子どものための資金であることや、子どもの同意など一定の条件があります。
また、親から子どもへ資金を移す場合には、NISAとは別に贈与税の問題も考える必要があります。
一般に、贈与税には年間110万円の基礎控除がありますが、贈与の状況や他の贈与との合算などによって扱いが変わる場合があります。大きな金額を子どもの口座へ移す場合は、税務上の扱いを確認しておくと安心です。
Q. 相場が暴落したらどうすればいい?
A. 「暴落したから必ず売る」「暴落したら絶対に売ってはいけない」のどちらも正解ではありません。
重要なのは、何のためのお金なのかです。
大学入学まで15年あるなら、短期的な暴落を乗り越えて長期保有するという選択肢があります。
一方、大学入学まで半年しかないのに株価が大きく下落した場合、「18歳まで待てば必ず戻る」とは誰にも言えません。
だからこそ、投資を始める段階で「いつ、何のために使うお金なのか」を決めておくことが重要です。
相場が下落してから慌てて考えるのではなく、平常時に出口戦略を考えておきましょう。
まとめ
- 2027年からNISAのつみたて投資枠が0~17歳にも拡大される
- 一般に「子どもNISA」と呼ばれるが、正式には未成年者向けにNISAのつみたて投資枠を拡充する制度
- 年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円
- 12歳以降は、一定の条件のもとで子どものための資金を払い出せる
- 18歳になると成人向けNISAへ移行する
- 長期投資では「時間」が大きな武器になる
- NISAは「損をしない制度」ではなく、あくまで運用益が非課税になる制度
- 教育資金として使うなら、使う時期が近づいたらリスクを下げることも検討する
- 投資先は、低コストで広く分散されたインデックスファンドが有力な選択肢の一つ
- 親自身の老後資金と子どもの教育資金を両方考えることが重要
- 親から子どもへ資金を移す場合は、NISAとは別に贈与税にも注意する
私は、子どもの資産形成を考える上で、今回の制度拡充は非常に大きな意味があると思っています。
特に魅力的なのは、0歳から投資できる=「時間」を最大限に活用できることです。
一方で、「子どもNISAができたから、毎年60万円を株式に入れればいい」という単純な話ではありません。
大切なのは、
①家計を安定させる
②教育費など将来必要なお金を見積もる
③余裕資金を長期・分散投資する
④使う時期が近づいたらリスクを下げる
という順番です。
そして、もう一つ忘れてはいけないのが「親自身の資産形成」です。
子どものためにお金を貯めることは大切ですが、親が老後資金を準備できていなければ、将来的に子どもへ経済的な負担をかける可能性があります。
「子どものNISA」だけを見るのではなく、家族全体のお金をどう設計するかという視点を持つことが大切だと思います。
私自身も、医師として働きながら、自分自身の資産形成と子どもの将来の資産形成を並行して考えています。
投資というと、「毎日株価をチェックして、安いときに買って、高いときに売る」というイメージがあるかもしれません。
しかし、長期の資産形成では、必ずしもそうする必要はありません。
むしろ、低コストで分散された商品を選び、自動的に積み立て、必要な時期まで淡々と続ける。
そして、使う時期が近づいたら必要なお金を現金化していく。
こうした「仕組みで資産形成する」方法は、忙しい子育て世代や勤務医にとっても取り入れやすい方法だと思います。
子どもに残せる最大の財産は、もちろん愛情や教育だと思います。
それに加えて、18歳になったときに「やりたいことを、お金の問題だけで諦めなくていい」という選択肢を用意してあげる。
それも、親としてできる一つの資産形成なのではないでしょうか。
本記事は、2026年8月時点で公表されている法令・金融庁・財務省等の資料をもとにした一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資には元本割れの可能性があります。NISAは投資による損失を補償する制度ではなく、運用益等を非課税とする制度です。子どもNISA(未成年者向けNISA)の具体的な口座開設方法、対象商品、払出し手続き等については、制度開始時点の金融庁および各金融機関の最新情報をご確認ください。また、親から子どもへの資金移転については、NISAとは別に贈与税等の税務上の論点が生じる場合があります。具体的な税務判断については税理士等の専門家への相談をおすすめします。
Dr.はると|呼吸器内科医・子育て中の父

Dr.はると|呼吸器内科専門医・0歳児パパ
医師として働きながら、資産形成・育児の両立に取り組んでいます。
「医師目線のリアルな情報」を届けるべく、資産形成・育児・医療知識のテーマで発信中。
「難しい情報をわかりやすく」をモットーに、忙しい医師・子育て中の親御さんに役立つ記事を書いています。
