「NISAで何を買えばいいのか」
「株だけで本当に大丈夫なのか」
「債券って結局いつ使うのか」
資産形成を始めると、多くの医師がこの壁にぶつかります。
結論から言うと、“どの資産が正解か”ではなく、”どう組み合わせるか”が本質です。
この記事では、主要資産を4つの視点で整理しつつ、勤務医が実際にどう使い分けるべきかまで踏み込んで解説します。

まず押さえるべき「4つの視点」
資産比較はこの4軸で考えると一気に整理できます。
① インフレリスク(購買力の低下)
インフレとは「お金の価値が下がる」こと。
年3%のインフレが続くと、
👉 100万円の実質価値は10年後に約74万円になります。
✔ インフレに強い → 株式・不動産・REIT
✔ インフレに弱い → 現金・固定金利債券
② 為替リスク(円高・円安)
例えば1ドル150円→120円になると、
ドル建て資産は約20%目減りします(価格が同じでも)。
✔ 影響あり → 外国株・外国債券・海外REIT
✔ 影響なし → 日本株・円預金・国内不動産
③ 株との相関(同時に下がるか)
ここが“分散投資の本質”。
✔ 一緒に下がりやすい → REIT・ハイイールド債
✔ 動きがズレる → 国債・現金・金
④ 流動性(すぐ現金化できるか)
これは医師にとって特に重要です。
開業・転職・育児・住宅購入など
👉 数百万円〜数千万円単位で突然資金が必要になることがあります。
✔ 高い → 株・投信・ETF・現金
✔ 低い → 不動産・iDeCo
各資産の”使いどころ”まで解説
■ 外国株(全世界インデックス)
結論:資産形成の”主軸”
- 期待リターン:年5〜7%前後(長期平均)
- 最大の強み:世界経済の成長を取り込める
✔ 医師向けの使い方 → NISAで最優先(NISAの詳細はこちら)
✔ 注意点
- ▲30〜50%の下落は普通に起きる
- 短期ではなく”20年以上前提”で持つ

■ 日本株
結論:サブ扱いが妥当
✔ メリット
- 為替リスクなし
- 心理的に安心
✔ デメリット
- 全世界株と高相関(分散効果が薄い)
- 長期的な成長を見込みにくい
✔ 医師向けの使い方 → 「日本が好き」以外の理由では優先度低め
■ 債券(先進国国債・社債)
結論:”守り”のパーツ
✔ 役割 → 株暴落時のクッション
✔ 重要ポイント → インフレ局面では普通に下がる(2022年)
✔ 医師向けの使い方
- 資産1,000万円を超えてから検討
- 精神安定剤として有効
■ REIT
結論:インカム+株の中間
✔ 特徴
- 利回り3〜5%前後
- 不動産×株のハイブリッド
✔ 注意点 → 株と一緒に下がることが多い
✔ 医師向けの使い方 → 配当キャッシュフローを作りたい人向け
■ 現物不動産
結論:ハイリスク・ハイコントロール資産
✔ 強み
- レバレッジが使える
- インフレ耐性が高い
✔ 本質的リスク
- 流動性の低さ(← 最大の問題)
- 空室・修繕・金利上昇
✔ 医師向けの注意 → 「属性が良い=勝てる」ではなく不動産に関する知識が必要
■ 個人向け国債(変動10年)
結論:安全資産の最適解の一つ
- 元本保証
- 最低金利0.05%
✔ 医師向けの使い方
- 数年以内に使うお金の置き場として
- 株が怖くなったときの退避先
■ 現金
結論:リターンはゼロ、だが”最重要資産”
✔ 役割 → 生活防衛資金
✔ 目安 → 生活費3〜6ヶ月分
✔ よくある失敗 → 貯めすぎ(インフレで実質目減り)
2022年の教訓
👉 株も債券も同時に下落
「相関は固定ではない」
ここを理解していないと、
“理論上の分散”に頼って痛い目を見ます。

医師に最適な「現実的ポートフォリオ」
最初は「全世界株+現金」で十分と考えます。
総資産1,000万円まではそれぞれ50%ずつ、以降は株の比率を上げていきます。
ステップ① 生活防衛資金
👉 現金(3〜6ヶ月分)
ステップ② コア資産
👉 全世界株(NISA)
ステップ③ 余裕が出たら
👉 債券 or 国債 or REIT
よくある誤解(重要)
✔ 「分散すれば安全」
→ ❌ 同時に下がることは普通にある
✔ 「不動産は安定」
→ ❌ 流動性リスクが大きい
✔ 「現金は安全」
→ ❌ インフレで確実に目減り
まとめ
- ✔ 資産には必ず”弱点”がある
- ✔ 分散はリターンではなく破綻回避のため
- ✔ 最初は「全世界株+現金」で十分
- ✔ 重要なのは続けられる設計
【医師×育児という視点】
最後に少しだけ本質的な話を。
育児期は
- 支出が読みにくい
- 突発イベントが多い
だからこそ
👉 「流動性」と「シンプルさ」が最優先
複雑なポートフォリオより
“迷わず継続できる設計”が最強です。
執筆:Dr.はると(呼吸器内科医・29歳・0歳児パパ)
医師×資産形成×育児をテーマに発信中
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資に関する個別の判断は、必ずご自身の状況と専門家の助言をもとに行ってください。
